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中国が国運託す硬骨の医師、新型肺炎が示す「人治」の実情 大きな存在感を放つ83歳の医師

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1月20日、記者会見する鐘南山医師。新型肺炎が人から人に感染していることを明言した(AFP/アフロ)

新型肺炎への対応をめぐって、中国で鐘南山という83歳の医師が大きな存在感を放っている。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)禍で中央政府の見解に体を張って反論し、感染の拡大を阻止した人物だ。 

「人から人への感染があるのは間違いない」。1月20日、政府の新型肺炎緊急対策チーム長として武漢市を訪れた鐘医師は中国中央テレビ局にこのように明言した。当時、政府はまだ「感染源は市場で売られる動物で、人から人への直接の感染は確認されていない」との立場だった。鐘医師の発言で状況は一変、即座に武漢市の事実上の封鎖など大胆な政策が次々と実行された。「実は鐘医師は何日も前から中央政府に武漢市の封鎖を建言していたが、握り潰された」との噂も根強くある。

鐘医師とはどのような人物か。

1936年10月、江蘇省南京市で生誕、父は著名な病院の院長などを歴任した小児科医、母は看護師出身で、やはり大病院の副院長まで務めた。55年に北京医学院(現北京大学医学部)に入学、卒業後は大学で研究活動に携わった後、78〜81年、英国エジンバラ大学附属病院で研修。感染症、とくに肺疾患についての研究を始める。帰国後は臨床医として活動し、96年には中国工程院院士(一種の学術アカデミー会員で、理系研究者最高の栄誉とされる)に選ばれた。

このように医師として輝かしい経歴を持つ人物だが、鐘医師の名声をとどろかせたのは03年、SARSが猛威を振るったときだ。当初、SARSは細菌性の肺炎との見方が定説で、抗生物質の投与が主な治療法だった。しかし効果は乏しく、感染者数、死亡者数は増えるばかり。鐘医師は自身の観察と研究により、SARSの原因は細菌ではなく、ウイルスによるものと判断し、学会の主流に異を唱えた。抵抗は強かったが、間もなく鐘医師の正しさが証明され、SARS対策は大きく転換、感染者の拡大抑制に大きく貢献した。

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