2月2日、中国の湖北省武漢市において、新型コロナウイルスによる肺炎患者を専門に受け入れる「火神山医院」が完成し、人民解放軍に引き渡された。病床数は約1000で、同4日には患者の受け入れを開始した。春節(旧正月)の連休返上で突貫工事が行われ、工期はわずか10日弱だったという。
このように短期間で大規模な医療施設を建設し稼働させることができるのは、国内の資源を自由に動員できる中国共産党ならではの強みといえるだろう。中でも中国共産党が最も容易に大量動員できる人的資源が人民解放軍の軍人である。「火神山医院」では、人民解放軍の医療スタッフ1400人が治療に当たるとされている。
自衛隊や他国の軍隊と同様、人民解放軍はその人的資源を活かして、大規模災害における救難活動などの主役となっている。しかし、人民解放軍は災害時などに労働力を提供するだけでなく、平時にも公共サービスを提供している。その代表が医療サービスだ。
中国の軍病院は、優れた医療施設として中国国内で広く認知され、軍人だけでなく、地域住民の診療を行ってきた。とくに地方では数少ない総合病院として住民に頼りにされている。また、国家重要保健基地の1つである人民解放軍総医院は党の要人が利用する医療施設として有名で、第301医院という名でも呼ばれる。
2015年に開始された軍の改革に伴い、軍病院も改編され、現在は人民解放軍の兵站を担当する聯合後方勤務保障部隊に所属している。第301医院という名称からわかるように、軍病院にはそれぞれ番号が付与されていた。例えば、現在の人民解放軍総医院第5医学センターは、河北省に設立された第302医院と北京の第307医院を合併したものである。
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