「正直に言って、赤字です」。都内某所の閑静な住宅街にて販売中のマンションの一室。営業員はこう打ち明けた。
そのマンションは総戸数40戸強で、ほとんどは投資家向けのワンルームタイプ。だが、マンション建設予定地の自治体がワンルームタイプを規制していることから、一部住戸を複数居室のファミリータイプにせざるをえなかった。
売り主は投資用マンションの販売を得意とする会社だったため、実需の顧客への営業力が弱く、ファミリータイプの販売に苦戦。結局、損切りをしてでも資金回収を優先したため、別の業者に投げ売りされた。その結果、当初の価格より大幅に値下げして販売されている(上写真)。
このマンションのように、思わぬ低価格で販売されている物件がまれに存在する。多くは売り主であるデベロッパーの販売戦略によるものだ。
例えば、大和ハウス工業が東京・江東区で販売中の「プレミスト有明ガーデンズ」は、当初、平均坪単価310万円で販売予定だったが、発売直前に290万円へ下げた。同時期に同じ湾岸エリアで発売される「HARUMI FLAG」が割安価格で供給されることを受け、価格を調整したのだ。
また、「パンダ部屋」も価格に値頃感がある。広告掲載用に、あえて割安で販売される部屋のことだ。東京建物の「ブリリアタワー有明ミッドクロス」では、住居階の最下層に当たる4階の1LDKが3800万円台、坪単価約280万円で発売される。同じ階に坪単価300万円超の住戸があることを考えると、典型的なパンダ部屋だろう。モデルルームの営業担当者は「ものすごい抽選倍率になるだろう」と話す。
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