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異国情緒豊かな街、オペラの舞台セビリア 作家や作曲家の創作意欲を刺激した街

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
『カルメン』の舞台の1つにもなったセビリアの旧王立たばこ工場。現在はセビリア大学となっている(アフロ)

モーツァルト(1756〜91)の『フィガロの結婚』と『ドン・ジョヴァンニ』、ロッシーニ(1792〜1868)の『セビリアの理髪師』、そしてビゼー(1838〜75)の『カルメン』。オペラ史上にさん然と輝くこれら4作品の共通点をご存じだろうか。答えは、物語の舞台がすべてスペイン南部の港街セビリアであることだ。

それにしても、なぜこれほどセビリアの人気が高いのだろう。一説によれば、セビリアのあるアンダルシア地方は、ジブラルタル海峡を挟んでアフリカ大陸との距離が近く、イスラム教徒に支配されていた時代も長い。そのためさまざまな文化が入り交じる異国情緒豊かな街であったことが、作家や作曲家の創作意欲を刺激したのだという。

作品の背景を見てみると、『セビリアの理髪師』と『フィガロの結婚』は、フランスの劇作家ボーマルシェによる「フィガロ3部作」の、それぞれ第1部と第2部が原作だ。ロッシーニとモーツァルトという、クラシック史上屈指の天才が作曲したこの2つのドタバタ喜劇には、極上のアリアが満載。何より、軽快な序曲を耳にしただけで、気分は18世紀のセビリアにトリップできそうだ。

オペラで最も名高い街

一方『ドン・ジョヴァンニ』は、『フィガロの結婚』の大成功に気をよくしたプラハの劇場が二匹目のどじょうを狙って依頼した、伝説のプレイボーイであるドン・ジョヴァンニの悪行と末路を描いた数奇な物語だ。スペインの劇作家ティルソ・デ・モリーナの『セビーリャの色事師と石の招客』などを基に、前作同様ロレンツォ・ダ・ポンテが台本を手がけ、舞台は再びセビリアとなった。

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