今年2020年は、“ベートーヴェン生誕250年を記念したメモリアルイヤー”として長く記憶される年になるはずだ。一方、昨19年は、クラシック音楽関連の邦画がヒットした年として記憶されるのではないだろうか。
天才ギタリストとジャーナリストの大人の恋を描いた平野啓一郎原作の『マチネの終わりに』と、国際ピアノコンクールに挑む4人の若きピアニストたちの姿を描いた恩田陸原作の『蜜蜂と遠雷』。19年秋に相次いで公開されたこの2つの映画はともに大ヒットを記録し、新たなクラシックファン拡大に貢献したことが記憶に新しい。
とくに後者は、ユニバーサル ミュージック、ソニーミュージック、ナクソス・ジャパンの3レーベルが足並みをそろえた企画CDを発売。主人公たちの演奏吹き替えを担った河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央の4人のピアニストたちとともに大きな話題となった。クラシックビジネスにおける新たな成功例といえそうだ。
さて、『蜜蜂と遠雷』の舞台となった国際コンクールは、静岡県浜松市で3年に1回開催される「浜松国際ピアノコンクール(浜コン)」がモデルだ。後に「ショパン国際ピアノコンクール」優勝者となるラファウ・ブレハッチやチョ・ソンジン、「チャイコフスキー国際コンクール」を制した上原彩子など、そうそうたる優勝者・入賞者を輩出してきた「浜コン」のレベルの高さは折り紙付き。世界中から集まるコンペティターの戦いは、映画を地で行く激しさだ。
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