米民主党の大統領選挙候補者選びが、いよいよ2月3日のアイオワ州党員集会で幕を開ける。今年の大統領選の帰趨次第で米国は大きく変貌しかねない。米市民も世界もそんな予感を抱いているはずだ。
トランプ大統領が再選されれば、その刻印を歴史に残そうと、これまで以上に「米国第一主義」をごり押しするだろう。民主党は誰が大統領候補になろうと、また仮に大統領職を奪還しようと、社会主義を掲げて台頭した左派の影響力にさらされ続ける。
政党政治を大きく左右するのは大衆運動である。政党政治と大衆運動を誘導し意味を与えるのが、知識人運動ないしは思想運動である。思想運動を形成する公共知識人は、せいぜい1000人程度だろうか。だが、その現実的政治力は小さくとも、長期的影響は深い。
彼らの世界(思想界)でいま起きている潮流が選挙と連動して、米国の思想形態を変えていく。いま、米国を建国以来支えてきた自由主義の思想的伝統に左右から揺さぶりがかけられている。今年の大統領選の過程を通じ、揺さぶりは一層激しくなろう。
右からの揺さぶりは「ポスト・リベラル」と呼ばれる知識人集団の台頭だ。王室とそれに伴う文化を持たない米国の右派(保守派)が保守するのは建国の精神であり、独立宣言と憲法に込められた自由主義思想だと見なされている。そこには欧州で生まれた啓蒙思想、中でもジョン・ロック思想と植民地時代の経験が反映されている。
そうした米国が20世紀に超大国となり、多くの同盟・友好国と協力し、政治的には自由と民主主義、経済的には資本主義の市場経済を基盤とする「自由な国際秩序」を支えてきた。1990年前後の冷戦終結過程を経て、この秩序は一層の世界的拡大を見た。
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