朝鮮労働党の金正恩(キムジョンウン)委員長は2019年4月の最高人民会議(国会に相当)で、「年末までは忍耐力を持って米国の態度が変わるのを待つ」と言明した。核・ミサイル問題で、経済制裁の解除・緩和を米国から引き出すために、自ら期限を設けた形だ。
18年6月の初の米朝首脳会談では、互いに信頼関係構築に努力することを共同声明に明記し、北朝鮮は非核化へ進むことを約束した。そして、米国から経済制裁の解除・緩和を引き出そうとしたのが、19年2月の2回目の米朝首脳会談だった。ところが、合意に至らないまま米国のトランプ大統領は帰国、金委員長も果実を得ることなく帰国せざるをえなかった。
トランプ大統領は19年6月に訪韓した際、ネット上で金委員長に会談を呼びかけた。これを受けた金委員長は、朝鮮半島の南北軍事境界線上にある板門店に出向き、つかの間の首脳会談が行われた。これが話し合い再開のきっかけになると期待されたが、その後は実務者協議が一度行われただけで、米朝関係は進展していない。
「2月の首脳会談後に平壌を訪れたら、多くの市民に『朝米が合意しなかったのはなぜか』と詰問された」(在日コリアン)、「年内には金委員長が米国とうまくやり、関係は改善する。そうすればビジネスも活発化すると、自信満々で言う人が北朝鮮には少なくない」(中国人ビジネスマン)。それほど北朝鮮国民は米朝関係の改善に関心が高い。根拠がはっきりとしない楽観論ばかりのようだが、北朝鮮が、米国との関係改善により経済的活路が切り開かれると考えているのは間違いない。
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