岐路に立つ銀行|禁断の実に手を伸ばすか
銀行口座にお金を預けるだけで手数料がかかる──。そんな未来が現実味を帯びている。
2019年12月、三菱UFJ銀行が2年間以上取引のない不稼働口座に年間1200円の口座管理手数料を課す検討をしていると報じられた。新規開設口座を対象に、20年後半にも導入する可能性がある。三菱UFJが導入を決めれば、ほかの銀行も追随必至だろう。
利用者からの反発が強く、これまで導入は見送られてきた。その“禁断の実”に手を伸ばさざるをえないほど銀行は追い込まれている。日本銀行の異次元緩和で貸出金利回りが低下。本業である預貸業務の収益は縮小が続く。人口減少で将来的な資金需要の伸びにも期待が持てない。国債の金利も低く、運用先は限られるうえ、日銀当座預金を増やせばマイナス金利がかかる。にもかかわらず、デジタル化への投資は避けられない。
「既存のビジネスモデルでは食っていけない」(大手行幹部)状況の中、各行がまず取り組んだのがコスト削減だ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は23年度末までに6000人、三井住友FGは19年度末までに4000人弱、みずほFGは26年度末までに1.9万人の人員削減を実行中。併せて、拠点削減やデジタル化による業務の効率化も進める。
コスト削減だけでは縮小均衡に陥るため、トップライン増強にも取り組む。その1つの方向性が海外ビジネスの拡大だ。先行するのは三菱UFJ。米ユニオンバンク、タイのアユタヤ銀行に続き、19年4月にはインドネシアの大手バンクダナモンを連結子会社化した。これを三井住友が猛追しており、19年2月にはインドネシアのBTPNを連結子会社化した。太田純社長は「新興国で第2、第3のSMBCグループをつくる」と意気込んでおり、さらなる海外商業銀行の買収もありそうだ。
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