FRB(米連邦準備制度理事会)は2015年12月から昨年12月までの3年間で合計9回、2.25%ポイントの利上げを行った後、今年7月には逆に利下げを開始し、9月、10月と合計3回、0.75%ポイントの引き下げを実施した。
米国経済はそれほど悪化しているわけでもなく、失業率は数十年ぶりの低水準で推移している。こうした中での利下げは、トランプ大統領からのプレッシャーに屈したようにも見える。
もっとも、製造業を中心に景況感が悪化しているのも事実で、米国債において、短期の金利が長期の金利を上回る逆イールドが一時出現するなど、先行き景気後退局面に入る懸念もないわけではない。米中通商摩擦がマクロ経済に与える影響も心配されている。したがって、今年に入ってからの利下げは「予防的利下げ」とされてきた。
しかし、この予防的利下げも、10月で終了したと考えられている。政策金利であるFF金利の先物は12月のFRB次回会合での利下げをほとんど織り込んでいない。20年末までで見ても、1回の利下げすら完全には織り込んでいない。パウエルFRB議長も11月13日の議会証言で、「景気に関する新しい情報がFRBの現在の見通しとおおむね一致する状況が続くなら、現在の金融政策スタンスは引き続き適切となる」と発言し、金融政策を当面据え置く可能性が高いことを示唆した。
過去の予防的利下げ
FRBは過去2回、1995~96年と98年にも予防的利下げを行ったことがある。つまり、利下げの後、米国経済は景気後退に陥らず、利下げが短期間で終了している。これら双方のケースでも利下げ回数は3回だった。
今回も、この後、米国経済は景気後退に陥らず、利下げが追加されることなく、本当に3回で終了するならば、90年代の2回の予防的利下げと同様のケースとなる。
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