2019年6月、英シュプリンガー・ネイチャー社は世界の研究機関の「格付け」を発表した。質の高い論文に関するランキングで日本の研究機関のトップに立ったのは、12年に開学したばかりの沖縄科学技術大学院大学(OIST)だった。順位は9位で、東京大学は40位にとどまっている。
沖縄有数のリゾート地、恩納村谷茶(おんなそんたんちゃ)。東シナ海を一望できる森に造成した丘の上に、OISTはある。「世界最高水準の科学技術に関する研究、教育」をモットーに、5年一貫制の博士課程を置く大学院大学で、学内の「公用語」は英語だ。9月時点で、74人の教員に対し、学生は205人が在籍しており、7割以上が外国人。22年までに教員100人、学生300人の規模に拡大する計画を立てている。
研究分野は物理学、化学、神経科学、海洋科学、環境・生態学、数学・計算科学、分子・細胞・発生生物学と幅広い。
一方で学部や学科はない。日建設計や米コーンバーグ・アソシエイツ社、国建の共同企業体に設計を依頼した研究スペースは、仕切りを極力少なくして研究者間の交流を促進し、複数の分野にまたがる学際的な研究を促している。
こうしたスタイルは、英ケンブリッジ大学の分子生物学研究所などの立ち上げに関わったシドニー・ブレナー氏(故人)を筆頭にノーベル賞科学者が結集して練り上げた。

学費は実質無料
高額な研究機器は集中管理され、熟練の専門スタッフがサポートする仕組みを取っている。研究者が個別に機器を購入する必要も、操作を覚える必要もなく、細部まで研究に集中できる環境が整えられている。研究資金は5年間の研究計画に基づいて配分され、5年ごとの業績評価で認められれば更新も可能だ。
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