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『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』 日本経済再生のカギは「中小企業神話」の克服にあり

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  • 堀内 勉 多摩大学社会的投資研究所教授・副所長、HONZ
国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか(デービッド・アトキンソン 著/講談社+α新書/900円+税/254ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] David Atkinson/1965年英国生まれ。小西美術工芸社社長。元ゴールドマン・サックス金融調査室長。オックスフォード大学日本学科卒業。92年ゴールドマン・サックス入社、2006年に共同出資者となるが07年退社。09年小西美術工芸社取締役就任、14年から現職。

本書の「中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか」というサブタイトルは非常に刺激的で、早くも各所で物議を醸している。

著者のデービッド・アトキンソン氏は、英オックスフォード大学で日本学を専攻し、米ゴールドマン・サックスの経済アナリストとして、1997年からの金融危機とその後の銀行大再編を予測して名をはせた、「伝説のアナリスト」である。

今は、縁あって文化財修復最大手の小西美術工芸社の社長として活躍する。またゴールドマン退社後も、日本経済ウォッチャーとして、日本を救うための数々の提言を行ってきた。

その著者が、先進国中最下位にある日本の生産性を高めるための具体的な方法を示したのが本書である。

日本の「少子・超高齢化」はもはや否定しえない事実である。他方、日本人は人口減によってこれから起こる危機を甘く見すぎている。多くの日本人は、そうはいっても今までの仕組みを微調整して対応すれば何とかなるだろうと、楽観的に考えているのではないか。

しかしながら、事態はそれほど甘くはない。このまま手をこまねいていれば、日本経済は確実に破綻する。

それを回避したいのであれば、経済の生産性を高める以外の選択肢はなく、これが今、国も民間も真っ先に取り組まなければならない最優先課題である。

そして、その本丸が、これまでタブー視されてきた中小企業改革、すなわち中小企業の統廃合であり、具体的には、現在360万社弱ある中小企業を200万社弱に統廃合することである。

もしこれに取り組まないと、その先に待っているのは、さまざまな形で中国経済が日本経済に関与してくる「経済的属国化」だというのが、著者の見立てである。

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