「調子はどう」と聞かれて、私は最近こう答えることが多い。「まずまずだよ。トランプ米大統領、欧州連合離脱(ブレグジット)問題、そしてマンチェスター・ユナイテッドの成績を気にしなければね」。もちろん、冗談のつもりだ。
ところが、このところ世界を揺るがす出来事があまりにも多くなりすぎて、冗談を冗談と受け取ってもらうのも難しくなってきた。
香港のデモは出口が見えず、日韓の対立は急速に過熱、印パの緊張も深刻化している。さらに、この夏は強烈な猛暑が欧米を襲い、気候変動の影響が強まってきているのを痛感させられた。
世界経済も今年に入って減速の色合いを強めており、通常なら金融市場でリスク回避が急激に進んでもおかしくない情勢だ。
関税でFRBを脅す
金融政策を取り巻く環境は“通常”とは程遠い。トランプ氏が中国との貿易戦争をあおっているのは、FRB(米連邦準備制度理事会)を利下げに追い込むのが狙いではないかと勘繰りたくなるほどだ。FRBは7月末に0.25%の利下げを決めたが、ツイッター上では早速トランプ氏が不満を爆発させた。利下げ幅が小さすぎるというのだ。
トランプ氏のやることに一貫したロジックを見いだすのは難しい。ただ、外交に関していえば、ひょっとすると他国の指導者をトランプ色に染め上げる計画が存在するのかもしれない。対立を深める日韓も、カシミール州の自治権剥奪に動いたインドのモディ首相も、トランプ流をそっくりそのまま取り入れたかに見える。
一方、米国の国内政策となると、トランプ氏の戦略に一貫性を見いだすのはなおさら難しくなってくる。なるほど、政策の多くは2020年の大統領選挙に向けて支持率アップを狙ったものだろう。だが、再選にはコアな支持層だけでなく、浮動票の取り込みが欠かせない。トランプ氏の政策が無党派層に響くかは怪しいところだ。
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