今回は、「もっと抑揚をつけて話したいのですが、どうすればいいですか」というお悩みに対するアドバイスです。まずお伝えしたいのは、「抑揚をつける」ことを「歌を歌うときのように、単純に音程を上下させればよい」と解釈している方が少なくないということ。
かつて多くの百貨店に常駐していたエレベーターガールがこんな言い方をしていたのを聞いたことはありませんか。「ごかぁい、ふじぃんふくうりばぁでぇ、ござぁいまぁっすぅ」。音を極端に上下させている感じなのですが、「5階、婦人服売り場でございます」と言っています。あるいは、タレントの柳原可奈子さんが若者向けショップの店員のまねをしているイメージといったほうがわかりやすいでしょうか。
こうした音程の上下は、確かにプロっぽく聞こえることもあります。イベントのコンパニオンや受付の方がそのような感じですね。雰囲気は出るのですが、話の中身をしっかりと伝えたいビジネスの現場にはなじみにくいものです。
では「抑揚をつけたい」と訴えてくる人は何に悩んでいるのか。私の経験では「平板にベターッと聞こえることを防ぎたい」という意味で捉えている方がほとんどです。自分では一生懸命に話しているのに、聞いている人には「何だか聞いていて退屈な感じ。眠くなっちゃうんだよね」などと言われてしまう。そこを何とかしたいのです。
「平板に聞こえる」理由は簡単です。それは、ずっと同じような調子で話しているから。音程だけでなく、声の強さ、スピード、間などがほとんど変わらないということです。
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