旅は五感を刺激するといわれるが、中でも視覚は特権的な位置づけにある。SNSの興隆に伴い「絶景」という言葉をよく目にするようになったが、旅と視覚が密接な関係にあることと無関係ではないだろう。
都市において視覚を刺激するものといえば、やはり建築物である。その中でもホテルは滞在時間が長いだけに、旅の印象を大きく左右しがちだ。
2019年の初め、インドのデリーで滞在したザ・ロディはそんな建築マインドを強烈に刺激するホテルだった。インド市街の中心部からやや外れた郊外にあり、敷地は2.8ヘクタール。9階建てで、部屋数はわずか48というゆとりのある設計となっている。
このホテルがアマンリゾートの傘下にあった11年に宿泊したことがある。当時は税金・サービス料込みで810ドル(約8万9000円)だった。同チェーンを外れたこともあってか、現在は同カテゴリーの部屋にかつての半額以下の2万5393インドルピー(税・サ込み、約3万9000円)で泊まることができる。なお、予約はザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド(www.LHW.com/lodhi)で可能だ。
オーストラリア人の建築家ケリー・ヒルの卓越した建築デザインはそのまま受け継がれていた。
デリー最高のレストラン
ケリー・ヒルの建築の最大の特徴はパースペクティブにある。遠近法を巧みに利用し、手前から視線のはるか先まで規則的なデザインが続く。
余計な装飾は極力排除され、ハリウッド映画に出てくる未来都市のような印象を与える。このホテルの最大の特徴は2階分が吹き抜けとなっているプライベートプールだ。冬のデリーは気温も低く入ることはなかったが、眺めるためだけに造られたのではないかと思わせるほど完成されたデザインである。
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