北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が2018年12月下旬に爆弾のような声明を流した。朝鮮半島と周辺地域から米国の軍事力と核の傘がなくならない限り北朝鮮は核を放棄することはないとするもので、非核化の望みに冷や水を浴びせた格好になる。
同声明ははっきりと述べている。「朝鮮半島という言葉には北朝鮮だけでなく、米国の核兵器および侵攻軍が配備されている韓国の領土も含まれる」。
北朝鮮の非核化に甘い望みを抱いてきた人たちは衝撃を受けているかもしれない。だが客観的にいって、これは驚くような声明ではない。北朝鮮が核を放棄する考えをほのめかしたことなど、これまでに一度もなかったからだ。
17年に北朝鮮は二重の脅威にさらされていた。トランプ米大統領が軍事行動に踏み切らんばかりの勢いだっただけではない。中国までもが米国に協力し、以前なら考えられなかったような厳しい制裁を加えるようになっていた。
こうした異常事態にさらされていたからこそ北朝鮮は譲歩する姿勢を見せ、いくつかの約束を口にするようになったのだ。時間を稼ぎ、前代未聞ともいえる米中の“共同戦線”を打ち砕くためである。
作戦はうまくいった。トランプ氏はその後、中国に貿易戦争を仕掛け、米中の協力関係は崩壊した。
ただ危機がピークにあったときですら、北朝鮮が非核化を確約したことは一度もない。シンガポールで行われた米朝首脳会談の共同声明にある「朝鮮半島の完全非核化に向けて努力する」という文言には、米朝双方が協力して事に当たるという含みがある。
日本もひとごとではない
実はこうした文言は新しいものではない。北朝鮮は何十年と同じ表現を使い続けてきた。そして、そこでつねににおわされてきたのが、在韓米軍の撤退と米韓軍事同盟の正式な解消が非核化の大前提だということだ。つまり今回の声明は、こうした決まり文句が持つ意味を念押しするものだったといえる。
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