2016年8月16日、宮内庁は「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」というビデオメッセージを発表した。それが報じられたときの「生前退位のご意向」という言葉に対して皇后は、「こうした表現に接したことが1度もなかったので、一瞬驚きとともに痛みを覚えた」と語られた。
天皇と皇族について定められている皇室典範には退位に関する規定がない。よって天皇は終身となるが、17年6月に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立し、生前退位が可能になった。同法でも「退位」と表現されているが、歴史上そのような用語は存在しない。天皇は生前に譲位し、即日、新天皇が神器を受けて践祚(せんそ、皇位を受け継ぐこと)するのが習わしだったからだ。病気などで急逝した際は、まだ生きていることにして譲位する如在(にょざい)之儀さえ行われた。天皇は在位中に亡くなってはならず、その不在は1日も許されなかったのである。
だが、今回は負担軽減などの観点からか、19年4月30日に退位、5月1日に新天皇の即位と、異例にも2日にわたる。一時的に天皇が不在となることになった。
退位・即位の儀式は数多い。19年4月30日は退位礼正殿の儀。皇居宮殿の正殿(松の間)に皇族や内閣総理大臣などが整列し、天皇陛下の退位の宣命(おことば)が読み上げられる。
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