外国人労働者受け入れ拡大のための出入国管理法(入管法)改正案。安倍晋三政権が数の力で今国会での成立を目指しているが、数々の欠陥が明らかになっている。
既存の外国人技能実習制度は、「国際貢献」との建前とは裏腹に製造業や農業などでの安価な外国人労働力の活用が実態だ。そこでは賃金未払いや暴行・脅迫、違法な長時間労働と、一部で劣悪な状況が絶えない。
今回の入管法改正では、新たな在留資格「特定技能1号」「同2号」を設ける。単純労働を含む14業種での受け入れを検討中だ。だが、その受け入れ体制は技能実習制度と酷似し、さらに劣化する部分すらある。
技能実習制度の問題点を整理すると、実習生が約100万円の借金を背負って来日させられること、日本での雇用先を変更できないことの2点に集約される。
実習生が最も恐れるのは、母国の賃金では返済不能な巨額の借金を残したまま途中帰国させられることだ。実習生が職場移動できないことを逆手に取り「文句があるなら帰国させる」と不正な労働環境を強要する雇用主もいる。実習生は我慢するか、失踪して摘発されるまで不法就労を続けるしかない。実習生の失踪者数は2017年に7089人、18年上半期に4279人を数える。
特定技能でも、外国人が借金を背負って来日する構造に変化はなさそうだ。実習生同様、現地での日本語講習費、民間ブローカーに払う紹介などの手数料があるからだ。「日本語教育の必要性が高い分、実習生より借金が増えるかもしれない」と首都圏移住労働者ユニオンの本多ミヨ子書記長は語る。
転職自由でも大きな壁
特定技能では同業種での転職は自由だが、外国人特有の問題がある。日本語での入管・行政手続きに不慣れなうえ、家主が敬遠するため、自分でアパートを借りることが困難な点だ。
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