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米国双子の赤字が市場を揺らす 同時拡大が深刻化

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  • 木内 登英 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト
きうち・たかひで●1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

世界の株式市場は、10月に一時大荒れとなった。その底流には米国の双子の赤字(財政赤字と貿易・経常収支赤字)の同時拡大が深刻化していることがある。

2018年度(17年10月~18年9月)の連邦政府の財政赤字は7790億ドルと、12年度以来の額を記録した。昨年末に実施した10年間で1.5兆ドルの過去最大規模の減税措置や、インフラ投資、国防関連などでの歳出といった、トランプ政権の拡張的な財政政策が、急速な財政赤字拡大の背景にある。

議会予算局(CBO)の見通しによれば、20年度の財政赤字額は1兆ドルを超え、22年度ごろには赤字額の対GDP(国内総生産)比は5%を超える。第2次世界大戦後に、米国で連邦財政赤字の対GDP比が5%を超えた局面は2回しかない。それはいずれも景気後退直後で、税収が一時的に大きく落ち込んだ時期である。今回のように景気が良好な中でのこうした事態は、まさに異例だ。これはトランプ政権がいかに過大な財政拡張策を実施しているかを裏付けている。

トランプ政権は、大型減税やインフラ投資拡大などの財政政策が米国経済の成長率を持続的に高めて、税収を増加させるため、財政環境の悪化は一時的な現象にすぎない、と説明している。

しかしこれは、高成長を通じていずれ税収増加につながると説明して大型減税を実施した、1980年代のレーガン政権第1期の姿勢と重なる。このときの政策が最終的には財政赤字を大幅に拡大させてしまったことは、広く知られているところだ。

他方、IMF(国際通貨基金)の見通しによると、米国の経常赤字のGDP比率は18年に3.0%、19年には3.4%まで上昇する。これは双子の赤字問題を背景にして、株価の暴落、いわゆるブラックマンデーが生じた1987年の水準に並ぶ。米国経済が需給逼迫傾向を強める中で、政府が財政拡張策を進めて需要を過度に増加させれば、国内の供給がそれに追いつかず、輸入増加によって需要が賄われる。その結果、経常赤字が拡大してしまうのは自然なことだ。

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