「グーグルと力を合わせることで、自分たちだけで開発するより強力なシステムを提供できる」
仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合は9月、次世代車載情報システム開発における米グーグルとの提携を発表した。3社連合のコネクテッドカー(つながる車)分野を統括するカル・モス氏は提携の意義を冒頭のように語るが、次世代の自動車開発で存在感を強める大手テクノロジー企業に頼らざるをえない側面を逆に強調したともいえる。
3社連合は、主要国で販売される新車の9割を2022年までにコネクテッドカーにする目標を掲げる。その戦略の中核を成すのがグーグルとの提携だ。スマートフォンでも使われる同社の基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した次世代の車載情報システムを開発する。そして、21年以降に発売する新型車には原則としてこの次世代システムが搭載されることになる。
車載システムとスマホをつなげるサービスでは、グーグルが14年に発表した「アンドロイドオート」やアップルの「カープレイ」というソフトウエアが普及している。それらを搭載した車両では、スマホのアプリを車載端末上で使用することができる。日産もアンドロイドオートなどを搭載した車両を発売し、若年層を中心とする需要に応えてきた。
今回の提携による次世代システムではさらに一歩先に進む。車載向けに最適化されたアプリを自由にダウンロードして使うことが可能になる。従来の自社開発方針を転換し、スマホのOSで圧倒的な地位を確立したグーグル陣営に加わることで顧客満足度を高め、他メーカーに先んじようとする戦略だ。
IT大手との協業を進める陣営がある中、たとえば独ダイムラーのように自主開発にこだわるメーカーもある。同社は独自の車載システム「MBUX」を開発し、メルセデス・ベンツの車に順次搭載していく方針だ。自動車メーカーには、車載OSを大手テクノロジー企業に握られ、ビジネスの主導権を奪われることへの懸念が根強い。ある外資系自動車メーカーの関係者も「たとえば、車内のAI(人工知能)音声認識といった顧客データの入り口部分を押さえられると、モビリティサービス分野でサブプレーヤーに成り下がってしまうおそれがある」と話す。
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