村上世彰氏はアクティビスト(物言う株主)の先駆けである。以前は顧客から預かった資金を運用していたが、今は自己資金だけを運用している。また、上場企業のオーナー家には企業統治の重要性を説き、出光興産と昭和シェル石油との経営統合交渉では投資家として、統合に反対する出光家の説得にも当たった。
──今年7月、出光興産と昭シェルは経営統合に合意しました。
石油元売り会社はかつて15社あったが、今では3グループに集約されようとしている。最終的には2グループになるだろう。石油業界ではかつて元売り業者が多すぎたために、業者間の転売や不当廉売が起きた。出光興産と昭シェルは、新たな施策を公表したわけでもないのに、経営統合が確実と伝えられると株価は7割も上がった。これは両社統合への市場関係者からの成績簿のようなものだ。7割の株価上昇は、市場がよい成績をつけてくれたと自負している。創業家の問題を抱える企業はほかにもある。私にできることがあれば、協力していきたい。
──再編が進んでいない業界といえば地方銀行がそうです。地銀は104行あります。
なぜこんなにいっぱいあるのだろう、というのがまず素朴な疑問だ。石油元売りと同様、相次ぐ地銀不祥事の背景には、再編が進まないことによる過当競争がある。50行を1行にするくらいの大再編をしてもいいのではないか。金融庁は地銀再編を強く促しているが、一方で公正取引委員会は統合後の県内シェアが5割を超えてはいけないとしている。これでは再編が進まないのではないか。
この記事は有料会員限定です
残り 673文字
