ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と十八銀行の経営統合発表から2年半──。ようやく公正取引委員会(公取)が統合を認めた。統合の承認を発表した8月24日、公取の深町正徳・企業結合課長は会見で、「もう少し早く今回のようなパッケージ(問題解消措置)を持ってきてもらえれば」と振り返り、「公取の審査が長引いたわけではない」と強調した。
ここまで時間がかかったのは、公取と銀行の溝がなかなか埋まらなかったからだ。十八銀行とふくおかFG傘下の親和銀行という長崎県の2強が単純に合併すると、貸し出しシェアが7割を超すエリアもある。公取はこれでは競争状態が維持されないと問題視してきた。一方、銀行側は当初から「統合で競争を実質的に制限することにはならない」と主張していた。
だが、可否を決める公取は一歩も譲らない。今年に入り、「統合を認めない『排除措置命令』が出る寸前までいった」(公取関係者)ため、銀行側が譲歩した。5月、経営統合に当たり借り換えを希望する取引先を支援する方針を示したのだ。取引企業の要望を踏まえて他行へ譲渡する債権額(貸出額)は1000億円弱。問題解消措置として債権譲渡を公取に示し、了承を取り付けた。
シェア以外の要因も加味 わかりにくい審査基準
ただ、債権譲渡後も県内のエリアごとのシェア(親和と十八の合計)は5〜10%程度しか減らない。それでも統合が認められたのは、債権譲渡をきっかけに、競合が長崎県内の企業に追加的な貸し出しがしやすくなると当局が判断したから。あくまで総合的な判断の結果だ。債権譲渡額については、公取内からも「(1000億円弱の)倍はあってもよかったのでは」という声が聞かれる。
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