北広島市というと、広島県にある街と誤解する人が多い。しかし、この街は北海道の札幌市と新千歳空港との間に位置する、人口約5万8000人を数える北海道の中核都市の一つだ。新千歳空港からJR千歳線に乗って札幌に向かうと、途中に「北広島」という駅がある。大きな団地群を抱えるこの周辺が北広島である。
「北広島」という勘違いしそうな名称が付されていることには訳がある。このエリアは1884(明治17)年に広島県から103人が入植して開墾された地である。1894年に月寒(つきさっぷ)村から分離独立する際に、故郷の名にちなんで「広島村」と名付けられたのだ。1996年に市に昇格する際に、広島市と混同することから「北広島」となり、今に至っている。
北広島を大きく飛躍させたのが、1970年から始まった道営北広島団地の造成である。この年を境に街の人口は急増し、70年の1万人から2007年には6万1200人となった。産業はホウレンソウやジャガイモなどの農業や酪農のほか、市内に6カ所の工業団地がある。しかし、街は札幌市のベッドタウンとしての色彩が強い。
急成長を見せた北広島だが、近年は大都市圏のベッドタウンの多くが直面しているように、人口の高齢化と減少に悩まされ始めている。人口は07年をピークに減少に転じ、17年1月の高齢化率は29.6%に到達。国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、40年には街の人口は4万6000人になると予測されている。
こうした状況下、街には変化の兆しが現れている。一つはインバウンドの取り込みである。新千歳空港に大量に降り立つ訪日外国人観光客は、多くがJR千歳線やバスを使って札幌との間を行き来する。それをただ指をくわえて見ているのはもったいないと、10年4月に「三井アウトレットパーク 札幌北広島」がオープン。この商業施設は札幌市民に加え、アジアなどからの外国人観光客にも照準を合わせた。今では大勢のインバウンドがこの街を訪れている。
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