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ライフ #相続が変わる

銀行の甘い節税トークにご用心 相続税の負担にも目配りを

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(xiangtao / PIXTA)

金融緩和による低金利環境と地域での企業数減少により、金融機関は激しい貸し出し競争を続けている。そのような中、不動産を複数持つような資産家は、信用が高く金融機関からすると上客だ。ただそのような資産家はすでに他行の顧客だったり、借り入れに後ろ向きだったりする。そこで自行の顧客とするために行うのが、節税策を売りにした融資の提案だ。

次のようなモデルケースで説明してみよう。融資を伸ばしたいと悩むA行の営業担当者が目をつけたのは、賃貸ビルなどの不動産を複数持つ資産家だった。現金なども含めて20億円の資産を持つ。だがライバルであるB行との付き合いが深く、B行からは2億円の借り入れもある。

この資産家をどう自行に引き抜くか。A行の営業担当者が持ち出したのは、資産家に資産管理会社を設立させ、その会社に資産家のビルを売却、保有させることで節税を図るというプランだ。

資産管理会社にビルを売却すれば、賃料収入にかかる税金は個人の支払う所得税から資産管理会社の支払う法人税へと変わる。所得税の最高税率は地方税を合わせて55%(復興特別所得税が別途かかる)。一方、法人税なら約30%。つまりビルを法人所有とすれば、賃料収入にかかる税金が25%の税率分だけ節税になる。この効果をアピールするのだ。

資産管理会社がビルを取得するための資金2億円はA行が融資する。その2億円は売却代金として資産家の手元に入るが、全額B行からの借り入れ返済に充ててもらう。これでA行は顧客の引き抜きに見事成功、となる。

説明されない「逆節税効果」

モデルケースと同様の融資提案を目の当たりにしたのが、相続や事業承継のコンサルティングを手掛ける公認会計士・税理士の金井義家氏だ。ある大手地方銀行から顧客が提案を受けた。節税メリットを強調する営業担当者に対し、同席した金井氏がデメリットを指摘したところ、ばつが悪そうにして退散した。なおその場には銀行の税理士もいたという。

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