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患者と医師の距離を縮める AIホスピタル実用化で

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診療や創薬にAI(人工知能)を利用しようとするプロジェクトが次々に立ち上がっている。今年から始まった、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム第2期の一つ、「AIホスピタル」を率いる中村祐輔氏に聞いた。

なかむら・ゆうすけ●1952年生まれ。大阪大学医学部卒。医学博士。東大、米シカゴ大教授を歴任。2018年から現職。「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」プログラムディレクター。(撮影:尾形文繁)

──AIホスピタルとは聞き慣れない言葉ですが?

AIホスピタルには、医療の質を高めつつ、医療現場の負担軽減につなげるという両面がある。医療現場では患者さんと医療関係者との信頼構築が欠かせない。診療記録は文字で残すことが義務づけられているが、電子カルテ化は医療者の大きな負担だ。医師がキーボードと画面しか見ていないといわれるのはこのためだ。

最近はスマートフォンや家電に話しかけると意思疎通ができる。家庭用のAIがこのレベルなのだから、言語認識機能を使えばカルテの書き起こしもできるはず。看護師に義務づけられている看護記録も音声入力ができれば、患者さんに寄り添う時間を増やせ、医療の質の向上につながる。

──患者にはどんなメリットがありますか。

私が専門とするがん治療ではインフォームドコンセント(医療行為に関する十分な説明と患者の同意)の内容が高度化、複雑化し、コミュニケーションはより重要になっている。現状ではこのプロセスの大半を医師が担っているが、医師は想像以上に大変だ。

患者さんだけでなく、伴侶やお子さんなど家族や親戚、知人にまで何度も同じ説明をする。膨大な時間がかかるだけでなく、説明の仕方や患者さんの理解度などから齟齬(そご)が生じ、コミュニケーションを取る以前に疲弊してしまう。

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