
「日本の環境に合った風力発電機をつくれば、世界中で通用すると思った」
そう語るのは垂直軸型マグナス風力発電機を開発・製造するチャレナジーの清水敦史CEO(39)だ。この発電機は回転する円柱形の羽根が風を受けたときに発生する「マグナス力」を利用して発電する。野球でボールに回転をかけて投げると曲がるのと同じ原理で、マグナス力を調整することで風車を安定的に制御できるため、台風のような厳しい環境下でも発電することが可能。垂直軸を組み合わせることで風向きの変化にも対応できる。
風力発電は巨大な風車(プロペラ)を回転させて発電するのが一般的だが、数多く導入されている欧州では風向きや風の強さが安定しており、台風などのリスクも少ない。それに対し、日本は風が不安定で、夏から秋にかけ台風がやってくる。現に国内では、プロペラの破損や脱落事故が起きている。発電量が大きく変動する特性を電力網にどのように取り込むかについて課題は残るものの、台風が直撃する日本の環境に合った風力発電機を開発できるかどうかが普及度を左右する。
2016年8月から沖縄県南城市で実証実験を行っている試作機(出力1キロワット)は17年秋の台風22号(同社計測で最大瞬間風速33メートル)が接近したときも故障やトラブルはなく、発電し続けることができた。今年8月からは沖縄県石垣島で出力10キロワットの試作機の実証実験を始め、将来は10キロワット機の量産化を目指している。
この記事は有料会員限定です
残り 608文字
