米朝首脳会談への一定の評価が定まる中、世界の関心が米中貿易戦争へと向かっている。
現状は、米国が繰り出す制裁関税に対し、中国が報復関税を予告するといった報復合戦の様相を呈している。
米トランプ政権は7月6日から、中国からの輸入品340億ドル分に対し25%相当の制裁関税を発動すると表明している。最大4500億ドル分もの中国製品を関税対象とする可能性もちらつかす。
トランプ政権の周辺から「禁輸」という言葉も聞こえてくるほどにヒートアップしているのだ。
それにしても米中の貿易をめぐる応酬は、過熱しては冷え、再燃してはクールダウンするということを繰り返している。
はたから見ていると、いったいどこに真意があるのか理解しづらいのが実態だ。
事実、6月21日に記者会見した中国外交部のスポークスマンは、「5月19日にワシントンにおいて共通認識に至り、6月初めには北京において農業・エネルギー分野での具体的な協議を行った。その成果を経て、近々製造業とサービス産業の分野における話し合いに入ろうとしていたのではないか」と恨み節だ。
台頭する中国に対し高まる米国の危機感
筆者は、この問題には実は三つの「顔」があると考えている。
一つは、トランプ政権が単純に中国の対米貿易黒字を減らそうとしているということ。二つ目が先端技術をめぐる米中の駆け引きが本格化しているという側面である。そして最後が、米国内における対中姿勢をめぐる対立だ。
このうち、最初に挙げた点は、さしたる問題ではない。中国は昨秋のトランプ大統領の訪中から対米黒字の減少に対応し、いくつもの妥協策を用意できると表明している。それ以前に、中国への輸出拡大で米国の貿易赤字を縮小すれば、中国の輸入の質も向上し、ウィン・ウィン関係が成立する。
だが、残りの問題では、中国も簡単に答えは出せない。
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