40代、50代のビジネスパーソンには、自らの定年後の日本経済は少子高齢化に伴う中長期的なインフレのリスクが大きいという点をよく理解してもらいたい。バブル経済が崩壊してから景気低迷の時代が続いたが、その間も少子化、団塊の世代の引退など人手不足の下地が着実に形成されてきた。アベノミクスによって、その一部が表面化した格好だ。
今後も短期的な景気の変動はあるだろうが、少子高齢化の流れは確実に進む。外国人労働者の受け入れでカバーしようとしても、アジア各国の成長が進むにつれ、それも難しくなるだろう。企業が労働力の奪い合いを始めて賃金が上がると現役世代は潤うが、定年後世代は賃金上昇に伴うインフレに悩まされることになる。健康が許すかぎり働き続けることが一つの対策だ。また南海トラフ地震など大災害や日本政府破産のうわさによる超円安などのリスクシナリオでもやはりインフレになる。
インフレ時代に現預金を持っていることは結構リスクが高い。年金制度の破綻を不安視する声があるが、年金がもらえなくなる可能性より、インフレで現預金の価値が大幅に目減りするリスクのほうがずっと高い。デフレ時代とは異なり、現預金は決して安全資産ではなく、株や外貨と同じリスク資産と認識することが必要だ。リスク資産同士をバランスよく保有するという観点から、一定の資産運用は欠かせない。
時間分散投資で投資信託を購入
インフレに強いのが株式投資の最大のメリットだが、初心者が適切な銘柄選びを行うことは難しい。そこで小口資金で購入でき、多くの銘柄に分散投資できる投資信託をお勧めしたい。難点は手数料が高いことだが、TOPIX(東証株価指数)やNYダウ平均株価などの株式指標に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)の手数料は比較的割安だ。これらを日本株と外国株、半々ぐらい持つのがいいだろう。外貨もインフレには強いが、為替ヘッジなしの外国株投信を買えば、外貨を持つのと同じ効果がある。
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