世界的なコンサルティング会社・PwCが最近出したリポートによれば、2050年の日本のGDP(国内総生産)は、世界8位に落ちているという。米国、中国だけでなく、インドネシアやロシア、ブラジルにも抜かれる見通しだ。人口は減り続け、65歳以上の比率は高まり、経済は停滞から抜け出せない。日本が厳しい状態に置かれることは間違いない。
過去20年の主要先進国は緩やかなインフレだったが、日本だけがデフレだった。通貨の価値はそうなると上がるはずなので、現在の110円前後の為替レートはおかしな水準だ。対日要求の中でトランプ米政権は、実質ベースで20〜25%円安に振れていると批判している。やはり短期的には円高に向かうと予想するべきだろう。しかし、もっと長期で見たら膨張する財政赤字のリスクが本格的に市場に認識されて、円安が急激に進むリスクも念頭に置いたほうがよい。
過去30年で米国のNYダウ平均株価はおよそ12倍上昇したが、同時期の日本株は6%の上昇だった。
改革を拒む日本企業の体質のせいもあるだろう。日本企業は入社年次に従って順繰りに出世していく。スピード感がなく、不適切な経営陣が居座り続けるので新陳代謝が生じにくい。20年近く前までは、ゲノム医薬品売り上げランキングのトップ10には日本の製薬会社が複数社食い込んでいたが、今ではすべて海外企業に取って代わられている。あらゆる産業でこのような事態が起こっており、日本の経営力の衰えはとても一朝一夕に挽回できるものではない。
老後の資産運用も、日本には多くを預けず、世界に投資資金を向けるほうが賢明だ。過去30年、米国株インデックスに毎月3万円の積み立て投資をした人は、投資総額1080万円に対し、株価の値上がりで資産評価額は5000万円超になっている計算となる。日本以外の世界経済は今後も成長を続ける。毎月3万円、世界経済に投資するだけで、定年後の収入不安はずいぶん解消するのではないか。国際分散投資をするインデックス型ETFには信託報酬の安い商品がたくさんある。つみたてNISA、iDeCoなど国の税制優遇枠も拡充されており、これらを積極的に活用したほうがいい。短期的には下落も上昇もあるだろうが、10〜20年のスパンで見ると、だいたいは幸せな結果が待っているはずだ。
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