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キャリア・教育 #官僚の掟

経産省・財務省OBの提言 Interview|朝比奈一郎/柴山和久

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「経産省はもっと『領空侵犯』せよ」

青山社中筆頭代表[経済産業省OB]朝比奈一郎

忖度(そんたく)には大きく2種類ある。官僚が日本社会や国際問題を見据え、「こう政策を立案すれば実現できそうだ」と先読みして動く忖度は霞が関の強み。一方、バツの評価をつけられまいと保身のためにする忖度もある。後者の官僚が増えていることは問題で、いわゆる官僚の小粒化が起きている。

現政権で内閣人事局ができたことが忖度の原因だとの見方は、問題を矮小化している。むしろ内閣人事局は強化すべき組織だ。官邸が省庁を横断したヘッドクオーターの役割を務め、官僚の人事をコントロールすることは、縦割りの弊害の解消につながっている。

権限がないからパイプは太く

経済産業省は自動車や家電といった産業政策が明確だった終戦直後と現代では、役割が異なる。もはや大きな産業政策を国が主導する時代ではない中で、経産省不要論も出ている。

だが、経産省には優秀な人材が集まっているのだから、国全体の成長に向けた戦略を打ち出していけばよい。経産省は他省庁と違い特定の領域に対する法的な権限が少ないため、関係する業界の利益を優先せず、平等に政策を考えられるという点が強みになる。

ただし、優れた筋書きを用意したところで、実行力がなければ政策は前に進まない。官邸や有力政治家との太いパイプを生かして政策を実現させられるかが、今の経産省にとって重要だ。現状のような官邸との近さが永遠に続くわけがない。政権によらずいつでも骨太な政策を作り、実行すべきだ。

所管のテーマにとどまらず、社会保障制度や農業にも「領空侵犯」しながら視野を広く持つ力が、これからの経産省には求められる。陸海空軍から独立し、時代に応じて役割を変えてきた米国の海兵隊のような専門部隊として活躍する方法もある。あくまでも経産省は器であって、他省庁から各テーマの専門家を招いたり、人事の交流を活発にしたりしていけばよい。

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