一連のアメリカンフットボール問題の対応にもたついている日本大学は、いろいろな立場の人から揶揄されている。日本で最初に危機管理学部を創設した大学だというのに、まったくなっていない、と。
「危機管理」という言葉は、2001年に米国同時多発テロ事件が起きてから一般的となり、11年の東日本大震災以降、より頻繁に使われるようになった。私も使ったことがあるが、何となく口にしていたにすぎなかった。
あらためて調べてみると、「危機管理」の類語に「リスク管理」があり、その違いはこうだ。
「危機管理」とは、発生してしまったトラブルから受ける被害をいかにして最小限にとどめるかを考えること。対して、「リスク管理」とは、まだ発生していないトラブルへの備えとして、何をするべきかを考えることである。
自動車メーカーならば、すでに販売した大量の自動車に欠陥が発見された際の対処法が「危機管理」であり、いかにして欠陥車を生産しないようにするかが「リスク管理」となる。
今回の「悪質タックル」問題でいえば、日大の「リスク管理」は、監督が相手選手にケガを負わせるプレーをさせる、と決めた瞬間から始まっている。「危機管理」は、あのプレーが問題視され始めたときから始まっていたのである。
報道を見るかぎり、仕掛けた日大の監督は、自分を守るのか、選手を守るのか、学校を守るのか、いずれも決められず、シラを切り通すのか、謝罪し罰を受けるのかも明確にせずにいる。何も失わない方策があるのではないか? というありえない夢にすがりついているだけで、「危機管理」としては何もしていないように見える。
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