前回、この連載で取り上げたテーマ(4月28日-5月5日合併号)は、習近平国家主席の胸の内にある「アンチ トウ小平」という要素についてだった。
社会主義システムの再評価──市場経済への疑問とも受け止められる──に関する言動に加え、集団指導体制の実質的な否定や挑戦的ともいえる対米関係は、かつてトウ小平が掲げた太い柱に、確実に転換をもたらしてきた。
一方で「改革の深化」を強調しながら、党のグリップを強め、党の権力をより習一点に集中させる作業に余念がなかった。
世界における中国経済の存在感が増すのとは裏腹に、国内では人々の生活が自由を失っていったのは、その象徴的な変化といえる。
今春の全国人民代表大会後に人々が好んで使うようになった「政治は左に、経済は右に」というフレーズには、「社会で進行する左傾化は、政治の世界に限った変化である」と考えたい人々の願望が込められている。
特権階級化した共青団 細かい規定で締め付け
さて、今回テーマに取り上げるのは、その延長線としての習近平版「権力再構築」である。
ターゲットになるのは、中国共産主義青年団(以下、共青団)だ。
といっても、習近平vs.李克強(共青団出身)の話ではない。以前この連載でも触れたように、習・李はライバル関係と呼べるほど力は拮抗していない。
習近平が設立し自らトップに就いた重要組織「中央全面深化改革領導小組」や「中央軍民融合発展委員会」のナンバー2には必ず李が抜擢されていることも忘れてはならない。
では、何ゆえ習近平は共青団を目の敵にするのか、である。
この答えは、習近平が共青団を批判するときのお決まりのフレーズをそのまますなおに受け止めればよい。いわゆる「機関化、行政化、貴族化、娯楽化」である。
要するに特権階級と化した共青団は組織の腐敗が進み、大衆との間に距離が生まれているというものだ。もっと思い切って言い換えれば、「ぞうきんがけから出直せ」ということだ。
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