19大(中国共産党第19回全国代表大会)と全人代(全国人民代表大会)を政治の視点で総括すれば、そのキーワードは「習近平による偉業の確認」「権力集中と側近政治」、そして「政治の左傾化」となるのだろう。
1日800人を超える党員の処分を断行した反腐敗運動のほか、難攻不落の国有企業に改革のメスを入れ、軍の聖域にも踏み込んだこの5年間の功績は、確かに非凡といえる。
シンクタンクに所属するある中国の研究者は、「19大後の指導部メンバーを見て感じた身内びいきは、全人代の権力の固定化・長期化の動きと相まって、晩年の毛沢東の万能な権力による弊害を人々にイメージさせました」と話す。
だが、習近平は毛沢東やトウ小平と肩を並べたといえるのだろうか。党規約を書き換えることは容易だが、人々にそれを認めさせるのは簡単ではない。
では、どんな功績を残せば二人に比肩することができるのか。
「中国から貧困を根絶し、それを宣言することか。それとも共産主義の実現に向けて明確に道筋をつけることか。いずれにしても遠大で、気が遠くなる話です」と前出の研究者は嘆息する。
一方、「ここにきて習近平の真意が別のところにあるのでは、という指摘がされるようになり、注目を浴びているのです」と同研究者は続ける。
19大後は、いよいよ経済で人々の満足を勝ち取らなければならない。だがその裏側で、ある「政治的な目的」を達成しようという動きがあるというのだ。
トウ小平が切り捨てた社会主義思想を復権
現地のメディア関係者は、「トウ小平の捨てた社会主義を復権させ、世界でも有効な思想であることを再度評価させることができれば、それは毛・トウに匹敵する業績となるでしょう」と指摘する。
社会主義市場経済を唱えるに際し、トウ小平は「社会主義は人々を豊かにしない」と切り捨てた。だが、それは「計画」が「市場」に及ばなかったからであり、「計画」の精度を高めれば「市場」に勝る制度になりうる、という賢人政治的な発想を、習近平は持っているという。
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