有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #中国動態

トウ小平への挑戦 権力基盤固めた習近平

4分で読める 有料会員限定
  • 富坂 聰 ジャーナリスト・拓殖大学教授

INDEX

習近平は毛沢東やトウ小平と比肩できるのか。写真は全人代期間に販売された中国歴代指導者のグッズ(ロイター/アフロ)

19大(中国共産党第19回全国代表大会)と全人代(全国人民代表大会)を政治の視点で総括すれば、そのキーワードは「習近平による偉業の確認」「権力集中と側近政治」、そして「政治の左傾化」となるのだろう。

1日800人を超える党員の処分を断行した反腐敗運動のほか、難攻不落の国有企業に改革のメスを入れ、軍の聖域にも踏み込んだこの5年間の功績は、確かに非凡といえる。

シンクタンクに所属するある中国の研究者は、「19大後の指導部メンバーを見て感じた身内びいきは、全人代の権力の固定化・長期化の動きと相まって、晩年の毛沢東の万能な権力による弊害を人々にイメージさせました」と話す。

だが、習近平は毛沢東やトウ小平と肩を並べたといえるのだろうか。党規約を書き換えることは容易だが、人々にそれを認めさせるのは簡単ではない。

では、どんな功績を残せば二人に比肩することができるのか。

「中国から貧困を根絶し、それを宣言することか。それとも共産主義の実現に向けて明確に道筋をつけることか。いずれにしても遠大で、気が遠くなる話です」と前出の研究者は嘆息する。

一方、「ここにきて習近平の真意が別のところにあるのでは、という指摘がされるようになり、注目を浴びているのです」と同研究者は続ける。

19大後は、いよいよ経済で人々の満足を勝ち取らなければならない。だがその裏側で、ある「政治的な目的」を達成しようという動きがあるというのだ。

トウ小平が切り捨てた社会主義思想を復権

現地のメディア関係者は、「トウ小平の捨てた社会主義を復権させ、世界でも有効な思想であることを再度評価させることができれば、それは毛・トウに匹敵する業績となるでしょう」と指摘する。

社会主義市場経済を唱えるに際し、トウ小平は「社会主義は人々を豊かにしない」と切り捨てた。だが、それは「計画」が「市場」に及ばなかったからであり、「計画」の精度を高めれば「市場」に勝る制度になりうる、という賢人政治的な発想を、習近平は持っているという。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数