日本の定年制度はいずれ消滅せざるをえない。なぜか。
政府・与党は現在、60〜70歳の公的年金の受給開始年齢を75歳まで延ばすことを検討している。これは年金が75歳までもらえなくなるという意味ではない。日本の公的年金は、60歳までの繰り上げ受給と70歳までの繰り下げ受給が可能で、この幅の中での受給開始年齢自由選択制となっている。
このとき平均余命まで生きた際の受給総額を均等にするため、繰り上げ・繰り下げ時の年金額は変動する。繰り下げでは受給を1年遅らせるごとに年金額が8.4%ずつ増え、70歳受給開始では65歳時の約1.4倍の年金額だ。政府・与党の議論のように75歳受給開始にすると、年金額は約1.8倍まで増える。

公的年金は少子化の影響で2040年代には、給付水準(所得代替率)が2割程度減る見通し。だが、60代後半まで働くことができれば、現在の高齢者と同等の年金額を受給できる計算だ。さらに70〜75歳まで働けば、それ以上の年金額になる。
このように、引退をできるかぎり遅らせて豊かな老後を目指す生き方が今後、ビジネスパーソンの間に定着するだろう。
ジョブ型雇用慣行へシニア期は移行する
一方で日本型雇用慣行の見直しも進みそうだ。現在、民間企業や官庁でシニア期の待遇改善が議論されている。65歳までの定年後再雇用制度は定着したものの、シニアの賃金は一般に定年前の7割以下になってしまう。せっかく知識やスキルを持ちながら、モチベーション低下が問題になっている。
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