津軽海峡に面した青森県東通(ひがしどおり)村。本州最北端のこの地に、7年前に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故が、暗い影を落としている。
2011年1月に着工した東電東通原発1号機の建設工事は、福島原発の事故を受け進捗率約10%で中断したまま。東通村の越善(えちぜん)靖夫村長は「村の存亡にかかわる」と危機感をあらわにする。
原子力に将来託した村の現在
18年2月20日、越善村長の姿は東京にあった。東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長に会い、東電東通原発1号機建設工事の早期再開を求めるためだ。
東電は20年度をメドに、ほかの電力会社やメーカーなどと共同事業化に向けた検討を進めるとしているが、「具体的な見通しはいっさい示されていない」(越善村長)。
大手電力と政府による共同事業化に向けた協議会を今春ごろ、設立するとの一部報道もあったが、東電やほかの電力会社は、現時点で決まった事実はないとしている。
東通村の人口は約6500人。村民の雇用確保と所得向上を図るため、1965年に村議会が原発の誘致を決議。それ以来、「一貫して原子力政策に協力してきた」(越善村長)。
原発誘致をきっかけに、村外にあった役場庁舎の村内移転や診療所建設、小中学校の統合などといった事業を進めることができ、原発は村づくりに欠くことのできない存在となっている。
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