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天災への危機意識の風化 大雪の混乱で痛感した

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1月22日に東京で大雪が降ったとき思い出したのが、東日本大震災の日のことだ。交通の大混乱がまた起こったからだ。都内の駅には人があふれて、高速道路も大渋滞に陥った。

「またか」と思わせたのは、タクシーだ。都内を走るタクシーは、大半が回送の表示に変わって乗車できない。震災のとき、タクシーはほぼすべて乗車拒否だった。今回も駅前のタクシー乗り場には長蛇の列ができていた。おそらくは何時間も待たされただろう。バスも満員になって、何台か待たなくてはいけなかった。

降雪の数日後、タクシーに乗ったとき、なぜあの日に回送マークにしたのか尋ねてみた。運転手は「冬の日に事故を起こすと1週間近く車を使えなくなって困るのだ」と解説してくれた。乗務できないとその間の売り上げがなくなる。車は自分だけではなく、ほかに二人のドライバーが交代で使っている。だから客を乗せないほうがよいと乗車を拒否したという。タクシーは非常時には役に立たないと思ったほうがよい。

駅に人があふれているのは仕方がないことなのか。この日、多くの都心の企業は早帰りを従業員に勧めた。16時から18時の時間帯に帰宅者が駅に集中した結果、機能はマヒした。通常どおりに帰宅していれば、あれほどの大混乱にはならなかっただろう。

雪のなか乗用車を使った人も、混乱を生んだ。チェーンをつけない車が多数あって、路上で立ち往生したからだ。坂道ではスリップする車が次々に衝突する。震災に似ていると思ったのは、雪にはまって動けない車を、歩行者が何人も集まって救出している姿を目撃したときだ。情緒的には、「日本人の善意は捨てたものではない」と思わせる。しかし救出された車がまたすぐに動けなくなって、交通を阻害したことは想像に難くない。

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