11月末、OPEC(石油輸出国機構)産油国とロシアなどが集まり、2018年3月に期限がくる協調減産をさらに9カ月延長することで合意した。減産延長は市場の期待どおりで、OPEC総会後の原油相場も、北海でのパイプライン事故で一時的に1バレル当たり65ドルを超える場面があったものの、大きな波乱もなく60ドル台前半で推移している。
しかし原油の需給動向を知るには直物価格を見るだけでは不十分だ。堅調に推移する原油相場の底流では着実に変化が起きている。
最初の変化はコールオプション(買う権利)の買い残の増加である。1バレル当たり90ドルや100ドルなど時価より相当高い水準を行使価格にして1年先を行使期限とする原油先物契約のコールオプションの買い持ち残高が増加している。
次は先物での投機筋のポジションである。もう少しで100万枚(10億バレル相当)にも届きそうな水準にまでネットでの買い残高が積み上がっている。これは潜在的な相場の下げ要因となる。
最後が原油の先物カーブだ。期限が先になるほど直物に比して割安になるバックワーデーションという現象が常態化している。直物価格が63ドルに対して22年末が期限の先物価格は56ドルと7ドルも割安で取引されている。
これらの変化は何を意味するか。
まずはオプションだが残高が急増したのが9月ごろからである。その頃イラクのキルクーク油田の生産障害が発生し、10月にはトランプ米国大統領がイランの核合意破棄に言及。11月にはサウジで王族や閣僚などの大量拘束事件が発生、そして12月はトランプ大統領のエルサレム首都認定問題と中東絡みで緊張が高まっている。
この記事は有料会員限定です
残り 736文字
