「ブロードコムの提案はわれわれの企業価値を過小評価している」。11月13日、通信用半導体大手の米クアルコムのポール・ジェイコブス会長は声明を出し、同業の米ブロードコムによる買収提案を拒絶した。
提案されたのは声明発表の1週間前のこと。負債の引き受けを含めた買収総額は1300億ドル(約15兆円)に上り、実現すれば半導体業界における買収金額としては過去最高となる。
クアルコムの買収拒否に対し、数々の買収を行ってきたブロードコムは即座に反応。「クアルコムの株主にとって、最も魅力的な提案だと信じている」とコメントし、手を引かない構えを見せる。今後、敵対的買収に発展する可能性も出てきた。
半導体の業界団体・SEMIジャパンの中村修代表は、「(買収が実現すれば)両社の通信技術が融合することで、IoT(モノのインターネット)の普及が加速し、半導体市場全体が一層盛り上がるだろう」と語る。
技術面における限界
近年、半導体業界では大規模な再編が相次いでいる。2015年の米インテルによる米アルテラの買収(167億ドル)や、16年のソフトバンクグループによる英ARMの買収(310億ドル)は記憶に新しい。実際、半導体業界における買収総額は15年に1000億ドルの大台を初めて突破した。

なぜ、半導体業界で巨額買収が増えているのか。
これまではパソコンやスマートフォン向けが牽引してきたが、パソコンはマイナス成長に突入し、スマホの勢いも弱まっている。
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