論理的な文章力を身に付けたいと思うビジネスパーソンは多いはずだ。ここから先は、それを実現するために必要な知識・ノウハウを具体的に紹介していこう。
外国語学習では、文法の理解が不可欠だ。文法の基礎が弱い人は、SNSで短いコメントは書けても、長い報告書を書いたり、抽象的な思考を相手に伝えたりすることは難しい。
同様に、母語である日本語の学び直しでも文法が非常に重要だ。ただし国語の授業のように、動詞の活用の種類を覚える必要はない。重要なのは2点だけ。「文の基本的な構造」と「文を作る要素」だ。この二つが把握できていれば、どこを直せば文がわかりやすくなるのか、すぐのみ込める。
下図は文の基本構造だ。骨格を成すのは主語+目的語+述語。特に主語+述語は建物の構造体のように、欠かすことができない。これが明確でない文は、筋道を立ててわかりやすく説明するうえでの基本要件を欠いている。どの主語とどの述語が対応しているのか、受け手がわかるのがよい文だ。

よく「日本語は主語を省略できる」といわれる。確かに日常会話では、主語を省略しても通じることが多い。だが本来は、前の文と同一の主語のみ省略するのが基本原則と覚えておこう。主語が変わったのに「書かなくてもわかる」という“察してちゃん”は、書き手・話し手失格と心得よう。
主語、目的語、述語が事実を表す一方、その三つを詳しく説明する修飾語は意見・感想を示すことが多い。このため修飾語はしばしば、削ることが可能だ。字数が少なく短い文はわかりやすい。これは本特集に登場する識者が繰り返し指摘している大原則だ。長い文をすっきりわかりやすくするときに、主な削除対象となるのが修飾語だ。
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