「自主性を尊重してきたのが、悪い方向に出た」。不適切会計で揺れる富士フイルムホールディングス。だが、助野健児社長はどこかひとごとだった。
同社は6月12日、遅れに遅れた2017年3月期決算と、不適切会計に関する第三者委員会の報告書をようやく公表した。
不適切会計は、海外子会社の富士ゼロックスニュージーランド(FXNZ)とオーストラリアを舞台に行われた。これにより富士フイルムHDは、10〜15年度累計で375億円の決算修正を迫られた。
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リース時に一括計上
不適切会計の主要点はこうだ。FXNZは事務機器をリースする際、顧客の利用する数量を想定して売り上げを一括計上していた。しかし実際は想定数量を下回ることが多く、最低利用料(利用量が設定数量を下回っても顧客が最低限負担する料金)も設定していなかった。本来は後から損失を穴埋めする必要があるのだが、それを回避し続けた。
背景にあったのが、過度な売り上げ至上主義だ。
FXNZではインセンティブとして売上高目標の達成率が重視され、同社の幹部は不適切会計によって多額の報酬を得ていた。
売り上げ至上主義は、国内外問わず富士ゼロックス全体に広がっていた。日本の売り上げが伸びない中で、過度な期待がかかったのが海外。現場は高い目標を設定され「(日本の幹部に)未達の報告をすると『俺にどうやってこれを上に報告しろというんだ』と机をたたかれた」との証言もある。
不適切会計については、09年に内部監査で指摘があったが改善されず、15年7月には吉田晴彦富士ゼロックス副社長と米ゼロックス幹部に告発メールが送られている。しかし親会社は事態把握に時間がかかった。
富士ゼロックスはグループで特別な存在だ。米ゼロックスとの合弁で、ゼロックス製品の製造とアジア太平洋圏での販売が役割だ。
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