祖業である写真フィルムの市場消失も視野に早くから事業転換を図ってきた富士フイルムホールディングス。その利益の半分を稼ぎ出すのが、2001年に子会社化した複写機大手・富士ゼロックスだ。
収益柱としての役割を担ってきた富士ゼロックスだが、複写機市場は成熟化の一途をたどる。どのように成長を持続させていくか。栗原博社長に聞いた。
──複写機市場を見ると、成長は鈍化し、競争も激しくなっている。現況をどう考えているか。
今に始まった話ではない。競争自体は少なくとも、この30年間ずっと激しい。ただ厳しい環境の中で、一部ではあるが淘汰も進んできた。これからは企業同士が同じ土俵で戦うよりも、各社の得意分野ごとにすみ分けがなされていくと見ている。
これからの複写機市場は、右肩上がりで伸びていくとは言えないのが、正直なところだ。われわれは紙の消費量が減少するという前提で事業を運営していく。
──伸びない市場でどう成長を続けていくか。
これまでは、各社が複写機本体をいくらで売るかという競争をしてきた。だが、企業の経営課題に応えるには複写機だけでは不十分で、ITが必要になる。クラウドにつないだ機器にセキュリティ対策を施すといった「ないと困る」分野から、顧客の業務プロセスの改善といった分野までをソリューションとして提供し、成長の原動力にしたい。
──ほかの複写機メーカーもIT化に力を入れている。IT企業とも競合する。いかに差別化するのか。
重要なのは、顧客自身が知らない課題をいかに発見するかということだ。これができなければ結局、安値競争に陥ってしまう。われわれが他社より優れているのは直販網だ。富士ゼロックスは代理店に頼らず、自社で販売網を整備してきた。顧客に深く入り込めているため、より優れた提案ができる。
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