インクジェットプリンタ大手のセイコーエプソンは、インクカートリッジの代わりに大容量インクタンクを搭載したプリンタが新興国などで大ヒットし、ここ数年、業績は拡大基調を歩んできた。
だが、2015年度は4~9月期に業績を下方修正するなど、拡大路線に陰りが見られる。競争が激化するプリンタ業界でどう成長を実現するのか。碓井稔社長に聞いた。
──ここ数年間の業績をどう評価しているか。
12年までは毎年のように円高が進み、非常に苦しかったが、その中で新型プリントヘッドや大容量インクタンクモデルなどの開発を進めてきた。そうした成果が12年後半から出てきたことが、今の高収益につながっている。
ただ、今期は外部環境でよくないところが出ている。一つは為替だ。売上高に占める新興国の比率が高くなる中、新興国通貨が下落し、大きな影響が出てしまった。
競合の問題もある。ビジネス向けプリンタにおけるエプソンのシェアが大きく上昇したことで、これまで静観していたヒューレット・パッカードなどの競合他社がプロモーション費用を積み、価格競争を仕掛けてくるようになってきた。
──業績を牽引してきた大容量インクタンクプリンタにも、キヤノンやブラザー工業が参入している。
競合の参入自体は悪い話ではない。われわれにとって最も障害になるのは、「プリンタを安く売って(消耗品の)インクやトナーで儲ける」という、既存のビジネスモデルだ。
一方で、印刷コストが安く済む大容量インクタンクプリンタに移行すれば、皆でマーケットを広げることができる。それは業界としてはいい方向だと思っている。
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