教育無償化のための財源問題が注目を集めている。自民党の文教族の一部は教育目的の国債(教育国債)の発行を主張する一方、同じ自民党の「財政再建に関する特命委員会」は、教育国債は子どもの世代に負担のツケを回すものであり不適当とする。
教育は未来への投資だから公共投資と同じように国債で確保すればよいという主張にはそもそも無理がある。公共投資は道路などインフラを整備するときの一過性の支出であり、建設国債はその負担を平準化するものだ。
これに対し、教育は毎年かかる経常的かつ義務的な支出であり、これを国債で賄えば財政赤字が恒常化することになろう。残高1000兆円に上る国債をこれ以上増発すると財政の持続可能性が危うくなりかねない。財政が行き詰まれば教育財源の安定的な確保もできなくなる。
子どもは学校教育の受益者であるから、大人になってから教育国債の元利償還を負担するのは応益負担の原則にかなうといえるかもしれない。しかし、この議論は教育を社会全体で支えていくという視点に欠けている。受益者負担であれば、たとえば所得連動型奨学金を充実させればよい。
一方、教育国債の代替案として挙がっているのが「こども保険」である。料率0.2%(事業主0.1%、勤労者0.1%)の保険料を厚生年金保険料に付加して徴収し、約3400億円の財源を確保する。小学校就学前の児童全員に月5000円を上乗せ支給する。
教育国債と異なり財政赤字を増やすことはないが、こども保険は勤労世代内での支え合いにとどまる。他方、現行の高齢者医療や介護は勤労世代を含めて全世代で負担を分かち合う仕組みになっている。高齢者向けの社会保障は全世代で支える一方、子どもの教育負担は勤労世代なのは、世代間で見て公平とはいえない。そもそも現行の社会保険料は逆進的であり、雇用にも悪影響を与えている。
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