朝、ホテルの屋上のテラスに上がると、目の前にピラミッドがそびえ、スフィンクスがこちらに向かって鎮座していた。
テラス席に腰掛けると、インド系のオーナーが飲み物のオーダーをとりにさっそうと現れる。
カイロ発東京往復のカタール航空ビジネスクラスが7万円という激安のチケットに飛びつき、2017年4月にエジプトまでやってきたことは前々回で触れた。
リビアの国境に近いエジプト北西部の地中海に面したビーチ、マルサ・マトルーフから、バスと鉄道を乗り継ぎ、10時間以上かけてカイロのこのホテルにたどり着いたのは午前1時前だった。
ホテル選びの基準は人それぞれだが、筆者がこだわるのは眺望だ。
寝室は酷暑なのにエアコンなしだったり、ベッドに入るだけでかゆくなったりするわけでもないかぎり、寝てしまえばそれほどの差はない。だが、眺望の良しあしは旅の印象を大きく左右する。
スフィンクスの目の前という最高のロケーションにあるこのホテルは、1室1泊朝食付きで日本円にして3000円台なのである。
朝食後は朝8時の開門と同時にピラミッドへ。朝早い時間なら団体客がいないのはもちろんのこと、人もまばらなので落ち着いて見られる。また、4月のエジプトはすでにかなり暑く、朝でないと体力を途端に消耗してしまう。
十数年ぶりとなるピラミッドとの対面だが、やはりその高さに圧倒される。約4600年前に建てられたクフ王のピラミッドは約147メートル。日本でほぼ同じ高さの霞が関ビルが建ったのは1968年のことなのだ……。余談になるが、小池百合子・東京都知事がピラミッドに登頂し、お茶をたてたのはその9年後である(現在は頂上に登ることは禁止されている)。
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