新生東芝が抱える最大のリスクといえるのが「フリーポート」だ。米国テキサス州フリーポートで天然ガスをLNG(液化天然ガス)にするプロジェクトを進める会社と、2013年に契約を締結。19年から20年間、毎年220万㌧の加工能力を持つことになった。

ところが落とし穴があった。契約では加工料に固定部分があるため、LNGに加工しなくても、一定の料金を20年間払い続けなければならない。東芝は20年間いっさいLNGを引き取れない場合の最大損失を9713億円としている。
現状、契約期間20年のうち一定期間分は、220万トンの8割超が決まっている。ただ、契約済みの顧客もキャンセルできるため、18年度から一定の赤字計上を迫られる可能性が高い。一方で顧客を確保できれば損失が出ないことも期待できる。
事業の命運を握るのはエネルギー価格だ。そもそも東芝が契約を結んだ13年ごろには、シェール革命の本格化で米国の天然ガス価格が大きく下落した。米国以外の天然ガスとLNGの価格は高止まりしており、液化し船で運ぶコストを考えても、米国産LNGに優位性があると思われた。
しかしシェール革命は思わぬ影響をもたらした。オイル需要のガスへのシフトが進んだ。さらに、世界経済の成長鈍化なども重なり、14年半ばから原油価格が急落。連動する米国以外のLNG価格も下がり、米国産LNGは割高になったのだ。
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