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次々に新機軸を打ち出す、米国のトランプ大統領。なかでも当選直後、「一つの中国」に疑義を呈したことには驚かされた。その見直しは米国の中国に対する姿勢・政策の大転換を意味する。さすがに物議を醸さずにはおかなかった。
ところが去る2月、大統領は日米首脳会談の合間に、習近平国家主席と電話で会談し、「一つの中国」を尊重すると発言、中国側の「評価」を引き出している。トランプ一流の「ディール」なのか、あるいはまったくの前言撤回なのか。憶測が飛び交った。
その「一つの中国」、かつて小欄で「歴史的所産」と書いたら、台湾の立場をわかっていない、とお叱りを受けた。「一つの中国」に賛同できない立場の存在は、もちろん承知している。大陸の政権には「一つの中国」を譲れない「歴史的」な宿命があるので、こちらも是非賛否はともかく、そこをわきまえなくてはならない。そう書いただけである。
もっとも大陸ばかりに「歴史的所産」を見たのは、一方的だったかもしれない。「一つの中国」に対する反撥も、「歴史的所産」にほかならないからである。たとえば、かつて英国の植民地だった香港である。
香港の中国回帰から20年
香港が中国に「回帰」して、今年の7月で20周年。その統治の基本は、いわゆる一国二制度である。読んで字のごとく、香港は中国という「一国」の中にありながら、大陸とは制度・体制を異にする、との謂(いい)にほかならない。「五十年不変」の一国二制度、滑り出しは順調だったものの、近年、軋(きし)みが生じてきた。
中国の統合は、香港が保ち続けた議会制・三権分立・資本主義の体制や価値観に背く、つまり「二制度」の否定だ、と見た人々の反撥が高まっている。とりわけ生まれも育ちも香港の青年たちは、香港こそわが「本土」と見て、今やその「独立」をとなえるようになった。
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