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中国の相続税の導入に見る習近平政権の本質 格差是正に有効でも既得権益層の反発は必至

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

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人間になくてはならぬのが、生命と財産。逆にそれを脅かせば、人を動かすこともできる。いかに正当に人の身体を傷つけ、財産を巻き上げるか。権力とは本来そういうものであって、だから刑罰と徴税が最も基本的なその本質を成す。だとすれば、各国の権力・政治のありようを見るには、そこに着眼すればよい。

そうして見ると、日本と中国とはよほど違う世界らしい。司法・税制からそれがよくわかる。中国の裁判が日本人に理解しがたく、信用できないのは、もはやいうまでもあるまい。では、税制はどうか。

間接税が多くを占める

日本の基幹的な税収は、所得税である。これは国民一人ひとりの所得を把握して課税徴収するもので、個人を国家が把握していないとできない。よく考えてみれば、日本は良かれあしかれ、そうした個々人の把握がゆきとどいている。

取られるばかりではない。もらうほうも同じで、そのために社会福祉が手厚くなる。いろいろ不平不満はあっても、手厚い中での話には違いない。

中国は対蹠的である。税収は所得税の占める割合が低く、高いのは法人税・流通税、つまり間接的にしか、税を取り立てていない。権力が個々人の把握をなしえていないからである。社会福祉も必然的に、これまで無きに等しかった。

相続税もしかり。日本でそれがしばしば問題になっているのは、周知のとおりだろう。福祉と同じく、負担の軽重、程度で不満はあっても、あくまでも既存が前提である。

中国はやはり異なる。程度ではなく、あくまで有無が問題である。相続税はかつて存在しなかった。今それを導入するかどうかが問題になっている。

2016年末、中国の習近平指導部が導入の検討に入った、という報道があった。早ければ17年3月の全国人民代表大会(全人代。国会に相当)で、相続税の法制化に向けた審議に入るという。

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