マスターカードが毎年発表する世界渡航先ランキングによると、宿泊を伴う海外からの観光客数が世界一の都市は、ロンドン、パリを抑えてバンコクだという。昨年末、アラスカ航空の特典(3万マイル)を使い、JALのビジネスクラスでバンコクへ飛んだ。
バンコク最大の安宿街として知られるカオサン通りを十数年ぶりに訪れると、まったく異なる様相を呈していた。かつてのカオサンといえば西洋人バックパッカーのたまり場。カウンター一つの旅行会社やチャーハンを食べさせる屋台、1泊150円の安宿などが並ぶ平和な裏通りだった。
それがどうだろう。今では渋谷のセンター街並みに混雑し、立錐の余地もない。生バンドが100デシベルを優に超える音量でロックを演奏し、サソリやタガメが並ぶ屋台には「フォト10バーツ」と書いてある。ゲストハウスが減ったことにも合点がいった。この音量では寝られるはずもない。西洋人の若者もいるが、年配者も少なくないし、中国系やロシア人のツーリストも目立つ。
イメージを覆す衝撃の味
そんなカオサン通りの近くで小腹がすいた。とはいえ大音量の中で、外国人ツーリスト向けの無難な料理を食べるのは業腹である。
そこでカオサン通りから3本北側の通りにある、トムヤムクンの屋台に行くことにした。店名は「トムヤムクンバンランプー」だが、通称は「ガイシーロ」らしい。屋台の名前はタイ語でしか書かれておらず、タイ語が読めないわれわれ夫婦にはお手上げだ。立体駐車場の前にあるという情報と、店主のおじいさんの顔写真だけを頼りに店を探す。
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