日本の外交における歴史的失態といってもいいのではないだろうか。2020年以降の地球温暖化対策を定めたパリ協定を、発効する11月4日までに批准できないという話である。
昨年12月に採択されたパリ協定は、京都議定書以来、実に18年ぶりの国際的な偉業で、気候変動に関する国際連合枠組条約に加盟している196カ国すべてが初めて参加したという特色を持つ。
発効条件は、批准国が55を超え、かつ批准国の総排出量が全体の55%に達するというかなり難しいものだったが、9月のG20を前に排出量トップの中国(排出量シェア20.1%)と2位の米国(17.9%)が同時批准を発表して一気に流れが加速した。10月2日にはインド(4.1%)が批准、4日にはEU(4.6%)が異例の一括批准を行い、その翌日に国連が発効条件を満たしたと発表した。主な未批准国はロシア(7.5%)と日本(3.8%)である。
具体的なルール作りは11月7日からモロッコのマラケシュで開かれるCOP22(第22回国連気候変動枠組条約締結国会議)で始まるが、未批准国はオブザーバー参加となり、たとえ自国に不利な方向に議論が進んでも発言権はないため、異議を申し立てられない。京都議定書の取りまとめをリードした日本としては屈辱的な立場である。
情報収集は民間頼み?
18年頃といわれていた主要国の批准が早まる兆候はあった。5月の伊勢志摩サミットでは首脳宣言の中に「16年中の発効」が盛り込まれていた。オバマ大統領のレガシー(遺産)作りの一環である。それを外務省は軽視したのではないか。
この記事は有料会員限定です
残り 523文字
