日銀は9月21日に、これまでの金融政策を総括的に検証したうえで、今後は金利政策に軸足を移すと発表した。短期金利は現行のマイナス幅を維持しながら、10年物国債の金利をゼロ%に誘導する。また、物価上昇率が安定的に2%を超えるまでは、金融緩和を維持するとコミットもした。
従来、日銀は短期金利をコントロールし、長期金利は国債を所管する財務省の領域とされていたところを、あえて日銀が関与するとしたのは、いかにも財務省出身の総裁らしいなと思う。
感想はさておき、その評価だ。本コラムでマイナス金利を導入すべきと書いたのは1年前のことだった。
当時、日銀は銀行が日銀に持つ当座預金に対して、0.1%の金利をつけていた。この金利をマイナスにすれば、銀行は日銀に資金を預けるより、融資を増やすはずである。マイナス金利の導入とともに日銀が大量の国債を市場から吸い上げれば、日銀からの資金が銀行を通じて資金需要のある企業に流れ、その企業の成長により、日本経済が拡大すると考えた。
70%強がプラス金利
ところが実際は違っていたようである。それは日銀がそれまでの経緯を尊重する方針を採ったからだ。2月中旬の残高までは、金利をつけ続けることにしたのである。
2016年8月の日銀当座預金の残高を見てみよう。総額294兆円のうち0.1%の金利をつけているのが209兆円、準備預金等で金利がつかないのが62兆円。一方で金利マイナス0.1%の預金は22兆円である。マイナス金利の対象が全体の7%余であるのに対しプラス金利は70%強だ。
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