アベノミクスの論理破綻がひどいことになっている。
事業規模28兆円と銘打たれた大型景気対策は何のために行われるのか。伏線は、伊勢志摩サミットでの安倍首相による「リーマンショック級の経済危機」への言及だった。
ところが各国首脳は、つれない対応。旗色が悪いところに駆け付けた援軍がブレグジットだ。「英国のEU離脱に伴う混乱が日本経済に打撃を加える」。大型景気対策の大義名分ができた。
国民投票の直後は、IMFの分析リポートも、その影響を不確実性の高まりと表現していた。しかし、時が経って、リスクは小さくなっている。離脱はかなり先で、当面の景気対策の必要性は乏しい。
にもかかわらず、今回の対策では、中小企業向け融資の拡大をサポートして、英国発の打撃に備えるのだそうだ。政府債務残高の対GDP比率が世界一高い国が、である。
手続き論的には、まだ大型景気対策を見直すチャンスはある。これから始まる秋の臨時国会でノーを突き付ければよいからだ。「英国のEU離脱による悪影響は先の話だから、これほどの景気対策は不要」と野党が指弾して、与党内の良識派が賛同すれば、余計な国費を投入せずに済む。これからの国会論議に望みをつなぎたいところだが、状況は甘くない。
野党に必要なセンス
ダム、干拓事業、高速道路網、整備新幹線……。時代遅れになった公共事業が見直されないことへの批判は以前からあり、近年、見直しの機運が確かにあった。
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